野球から学ぶ店舗集客に使える戦略的データ分析

2022年10月19日


MLBで唯一無二の活躍を続ける、大谷選手。国内では若干22歳ながら世界の【王】の記録を塗り替えようとしている村上選手。例年稀にみる混戦のパリーグのペナントレース。
今年は例年以上に熱い野球を見ている方も多いのではないでしょうか。

野球選手は過酷な練習と共に緻密な分析も行っています。相手投手や野手を徹底的に分析し、対戦に備えています。
野球に限らずスポーツ全般デジタルデータ分析力が進み、自チーム選手や相手選手を徹底的に解剖することで勝ちを競う競技となっています。
今回はスポーツのデータ分析や活用方法を通して店舗集客と繋がる部分がないかを考えたいと思います。

1 セイバーメトリクスデータ分析


野球には様々な価値基準・指標が存在するが、セイバーメトリクスではこれらの重要性を数値から客観的に分析した。それによって野球における采配に統計学的根拠を与えようとした。
Wikipedia-セイバーメトリクス  抜粋

映画にもなり話題になった「マネーボール」で一気に有名になった分析方法がセイバーメトリクスです。
オーナーの死により経営状況が悪化した球団アスレチックス。GMビリー・ビーンがセイバーメトリクスを生み出したビル・ジェームスの著書を参考に「27個のアウトを取るまでは終わらないスポーツ」と定義付け、野手では従来の打率重要視のスタイルではなく出塁率、長打率を重要視した考え方で主に選球眼の良い選手を獲得。投手では野手で重要視されていた部分をとにかくやられない得点するチャンスをなるべく与えず、アウトカウントを稼げる投手に特化した選手の獲得方法をとるという手法で無名選手でも勝てるチームを作り上げました。
従来の考えである打率やホームラン数、防御率や速球派技巧派の投手はインパクトが強いので市場価格も当然高くなります。
経営状況悪化により獲得出来る選手が金銭的に限られていたアスレチックスは他球団と選手の評価方法を変えてチームに適した人材を確保することで「安くても強い球団」を作り上げることに成功しました。

2 コスト分析に伴ったトレード


当時のアスレチックスの選手獲得の考えは独特でした。
捕手の生命線でもある肩を怪我し、市場価格が暴落した選手を出塁率の高さから獲得し内野にコンバートしたケースや、
活躍した為に年棒が上がる選手を高値で放出し、変わりに無名の若手を獲得していました。
獲得された選手も他球団では評価されない選手だが、アスレチックスでは前述の通り欲しい選手が他球団と違う為、戦力となりコストパフォーマンスに優れた人材を獲得していきました。
こうしてアスレチックスは運営資金を確保してチームを大きくしていきました。

3 アスレチックスから学ぶ店舗戦略


野球の話が長くなってしまいましたが、ビリー・ビーンのように多角的ものの見方とチームに沿った徹底的な戦略は店舗集客においても重要な要素となります。

・お店に合った集客を考える際にターゲットの選定があやふやになっていたりしませんか?
・お客さんが喜ぶことは何かあやふやになっていませんか?
・お客さんの来店数は把握していますか?
費用対効果の少ない広告を乱発していませんか?
他店と同じような集客方法をおこなっていませんか?

まずは自店がどのようなお店でどうなりたいのかを明確にし、どのようなお客さんに来て頂きたいかをイメージすることです。
そして新規のお客さんが必要なのか、お客さんを固定化したいのかを考え、アプローチしていきましょう。

アプローチ方法もむやみやたらに行うのではなく、ビリー・ビーンのように他社が考えていない戦略を決めて徹底することです。
ビリー・ビーンはチームに合うと思った選手を徹底的に調べました。現在ではスポーツ科学の分析力の進歩が著しく伸びており、
自チームの選手は勿論のこと、相手チームの選手の能力や癖を洗い出しています。
お店でもまずはお客さんのことを徹底的に知ることから始めるべきだと思います。

お客さんが何を求めているのか、お店の強みと求めているものがマッチしているか把握しましょう。
今ではデジタルツールの進化により簡単にお客さんが求めていることを知ることが出来ます。

4 お客さんを知るためのツール


お客さんの来店数や購買履歴を知る為に会員証を作るお店は多いと思います。
会員証もPOSや店舗アプリなどのデジタルツールにすることで簡単にお客さんのデータを収集し分析することが出来ます。
過去何回来店しているのか、お客さんが使った金額などを把握して、お客さんごとにグループ分けをするのも良いでしょう。
そのグループに合った内容の発信をすることで再来店率が極端に上がった例もあります。

集客の為に広告を乱発することよりもピンポイントにターゲットに沿った販促をすることで費用対効果がグンと上がります。
また、他店では手の届かないほんの少し変わったサービスをすることでお客さんがリピーターになってくれます。
ほんの少しのサービスが何かはお客さんごとに違うのでデジタルツールで分析を行い、お客さんをとことん知ることが「安い販促費でもリピート率が高い」お店を作る最善の方法ではないのでしょうか。

まとめ

・徹底的に自店の強み弱みを分析すること
・いらないものを省くことは成功に繋がる
・他社と違うものの見方をすることでお店が差別化される
・お客さんを知ることが肝心
・データ分析は今の時代簡単に行える
・分析結果はすぐに行動につなげよう

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